来欧した米国のトップ・ジャズ・ミュージシャンのライヴを1960年代からサポートして実力者の名声を築き、90年代以降はリーダー活動にも力を入れてデンマークのトップ・ドラマーの座を揺るぎないものにしているアレックス・リール。本拠地とするコペンハーゲンの名店 Jazzhus Montmartreで生誕80周年を記念する4日間の連続公演が、9月9日から12日に決定した。連日メンバーを交代したユニットによって、多彩な活動を続けてきたリールの現在を浮き彫りにする企画と言える。
同店が開催する“Premium”と名付けられたシリーズは、「通常小規模のステージで観ることのできないジャズ・ジャイアンツと出会える、貴重で親近感のあるコンサート」だ。

初日の9月9日は「ALEX RIEL AT 80:RIEL/SKO/KOPPEL/BEBE/BODILSEN」。オール・デニッシュの5名からなる特別ユニットを編成し、デンマーク・グラミーの受賞歴があるヴェテラン・ヴォーカリストのサン・スコと、リールとはアルバムで共演歴があるサックス奏者ベンジャミン・コッペルをフィーチャー。2人は2018年の共同名義作『On Cole』(Cowbell Music)で関係を深めた間柄だ。
■Alex Riel(ds) Søren Sko(vo) Benjamin Koppel(as) Søren Bebe(p) Jesper Bodilsen(b)
●『On Cole』試聴:https://open.spotify.com/album/5FLIDRsDuiG09UggW8vHXT
2日目の9月10日は「ALEX RIEL AT 80: RIEL/DAHL/STIEF/HALBERG/HAVELUND」。オール・デニッシュのクインテットは、以前同店がベーシスト、ボ・スティーフのリーダー・ユニットで企画したギタリストのポール・ハルベルグ、歌手リー・ヘウルンドとのユニットの出演実績を踏まえたブッキング。リールとは2009年トリオ作『In Our Own Sweet Way』(Storyville)で共演しているピアニスト、カーステン・ダールが加わる。
■Alex Riel(ds) Carsten Dahl(p) Poul Halberg(g) Bo Stief(b) Lea Havelund(vo,cello)
●『In Our Own Sweet Way』試聴:https://open.spotify.com/album/43IC7l264R0o23TSRqYXXx

3日目の9月11日は「ALEX RIEL AT 80: RIEL/CLAUSEN/VINDING」。数多くのピアノ・トリオを助演してきたリールにとって、トーマス・クラウセン、マッズ・ヴィンディングとのトリオは母国デンマークのジャズ史に刻まれる代表格。1949年生まれのクラウセンは同店で70歳の記念公演を行った。3人はクラウセンのリーダー作『Psalm』(95年、Storyville)で共演しており、同作から四半世紀後の現在のトリオを知る好機となるだろう。
■Alex Riel(ds) Thomas Clausen(p) Mads Vinding(b)
●『Psalm』試聴:https://open.spotify.com/album/2IGq0OxtBViCDqI4qNp4LL
4日目の9月12日は「ALEX RIEL AT 80: RIEL/KRISTIANSEN/STIEF」。こちらもデニッシュ・トリオで、ピアノのサン・クリスティアンセン(1962~)はデビュー以来35年間、欧米のミュージシャン多数をサポートし、同国ジャズ・シーンで名声を獲得。このトリオは2019年7月の《コペンハーゲン・ジャズ祭》に出演しており、現在リールのレギュラー・トリオの一つに位置づけられる。
■Alex Riel(ds) Søren Kristiansen(p) Thomas Ovesen (b)
リールは2000年の生誕60周年と2010年の70周年をJazzhus Montmartreで祝い、『Celebration』(Stunt)と『Full House』(Storyville)でアルバム化されている。
●『Celebration』試聴:https://open.spotify.com/album/1nSrRvZZfrh4tFLUJD6MmN
●『Full House』試聴:https://open.spotify.com/album/5FH97BKejtrYWzLjeUaALC

●website: http://www.jazzhusmontmartre.dk/