アメリカ・テキサス州ダラスを拠点に活動するローラ・エインズワースは、スタンダード・ナンバーばかりでなく比較的カヴァーされていない楽曲にも光を当てて、アルバムを発表しているレトロ・ジャズ・ヴォーカリストだ。2011年に『Keep It To Yourself』でデビューすると、『Necessary Evil』(2013年)、『New Vintage』(2017年)と、計3タイトルをリリース。2017年にはこれら3タイトルから選曲されたコンピレーションLP『Top Shelf』が登場し、日本では2019年に販売がスタートした。
その『Top Shelf』が今回、LP版を再現した日本向け紙ジャケット仕様のCDとして流通が始まった。10曲収録のLPに対して、こちらのCDは全16曲のプログラムで、曲順はより自然な流れに変更。うち⑤「You’d Be Surprised」は『Necessary Evil』の時にレコーディングされながら同作に収録されなかった未発表曲であり、価値が増している。
またグラミー賞ノミネート歴があり、エロール・ガーナー『The Complete Concert By The Sea』(2015年)を手がけたことで知られるエンジニア、ジェシカ・トンプソンの高音質リマスタリングによって、オリジナルの温かいサウンドを残した仕上がりに改良されている。ローラの詳細なバイオグラフィー、楽曲解説(英語、日本語)を収めたブックレットを封入。ローラ入門のためのベスト・アルバムとしても最適な内容だ。
●Laura Ainsworth “Top Shelf” CD preview video:
【ローラ本人による日本のリスナーへのコメント】
私の音楽を受け入れてくれたラッツパック・レコード、日本のジャズメディア、そしてファンの皆さまに、どれだけ感謝しているかを伝える機会を与えてくださりありがとうございます。 私のコレクションの中の、マイナーなクラシックアルバムの日本リイシュー盤CDの数々を見ても、おそらくアメリカのファンよりも、日本のファンのほうがトラディショナル・ジャズを愛していることがわかります。この音楽を新しい世代に向けていきいきと保つための私の地道な努力を、皆さんが楽しんでくだされば光栄に思います。 日本を訪れて、日本の素晴らしいジャズアーティストと共演するという長年の夢を早く実現できるよう願っています。
【作品情報】
Top Shelf / Laura Ainsworth
■①That’s How I Got My Start ②Necessary Evil ③That’s The Kind Of Guy I Dream Of ④The Gentleman Is A Dope ⑤You’d Be Surprised ⑥Love For Sale ⑦Skylark ⑧Medley: Long Ago And Far Away / You Stepped Out Of A Dream ⑨An Occasional Man ⑩Out Of This World ⑪Hooray For Love ⑫Personality ⑬My Foolish Heart ⑭Dream A Little Dream Of Me ⑮Wasting My Love On You ⑯Just Give Me A Man
■Tracks ③⑥⑦⑫⑭ from “Keep It To Yourself”, ②④⑩⑪⑬⑯ from “Necessary Evil”, ①⑧⑨⑮ from “New Vintage”. Track⑤ previously unreleased; outtake from “Necessary Evil” sessions
■Eclectus Records SCP-6001-1J
『Top Shelf』CDの日本リリースに合わせて、ローラ関連のコンピレーション作も登場する。『This Is Vintage Now Vol.2:Happiness Is A Way Of Life』はヴィンテージ・ムーヴメントの興隆に呼応して、2011年にリリースされたMP3作の続編。今作は1曲目を『Top Shelf』収録曲でもある「An Occasional Man」で開幕し、現代のアーティスト(2007~2017年)による本格的な1950~60年スタイルの楽曲で構成。元々はアメリカのティキ雑誌「Exotica Moderne」2021年5月号の付録CDとしてリリースされ、今回が単独発売となる。全12曲のCDはシリアルナンバー入りの100枚限定盤で、14曲入りのMP3/ストリーミングの日本限定ヴァージョンも別ジャケットでリリースされる。
またローラの3枚のオリジナル・アルバムのMP3/ストリーミング版も、日本でのリリースが始まった。