イタリアン・パリジャンのピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシが3年ぶりに来日公演を行う。前回の2015年は日本制作のリーダー作『アニメッシ』のリリース直後の3月に、東京の大ホールにトリオで出演。子供の時から日本のアニメに親しんできたミラバッシが、長年温めていたアルバム・コンセプトを遂に実現させた達成感と共に、その世界観を披露してくれた。同年12月には早くも東京に帰ってきて、トリオでジャズ・クラブに出演し、日本での人気の高さと親日家ぶりを示した。
ミラバッシは2013年に伊CAM Jazzへ移籍し、これまで3タイトルを発表。トリオと31名のストリング・オーケストラの共演作『Viva V.E.R.D.I.』、ヴィブラフォンのステフォン・ハリスが加わったカルテット作『No Way Out』、6年ぶりのソロ・ピアノ作『Live In Germany』と、いずれもトリオではない編成が特徴であり、チャレンジ精神を感じさせる。
そして今回の来日公演でも新たな魅力を盛り込んでくれた。ベースは2007年にトリオのメンバーとなり、『Out Of Track』『ライヴ・アット・ブルーノート東京』等に参加して、ミラバッシからの信頼も厚いジャンルカ・レンツィ。ドラムは90年代にハービー・ハンコック・トリオに在籍し、現在は日本でも数多くのライヴをこなすジーン・ジャクソン。ジャクソンはミラバッシのリーダー作に参加した経験はなく、つまりこの顔ぶれのトリオのライウは本邦初、というわけだ。
さらにもう一つの大きな魅力が、女性ヴォーカリストとの共演。サラ・ランクマンは2012年の《モントルー・ジャズ祭》国際コンペで第1位に輝き、クインシー・ジョーンズから絶賛された逸材。ミラバッシも彼女の才能を認めていて、2016年の第2弾『Inspiring Love』には音楽監督&ピアニストとして参画した。そこでトリオを組んだメンバーがレンツィとジャクソンで、先頃リリースされた新作『A Contretemps』には前作と同じミラバッシ・トリオが連続参加。その意味で来日メンバーは“サラ・ランクマン&ジョヴァンニ・ミラバッシ・トリオ”と見做すこともできるだろう。東京と水戸ではミラバッシのソロ公演も組み込まれている。
<メンバー>
- Giovanni Mirabassi(p) Gianluca Renzi(b) Gene Jackson(ds) Sarah Lancman(vo)
- https://www.giovannimirabassi.com/
- https://www.sarahlancman.com/
<公演スケジュール>
- 2月25日(日) 代官山 ヒルサイドプラザホール(トリオ+サラ)
- 2月26日(月) 丸の内 コットンクラブ(ソロ)
- 2月27日(火) 丸の内 コットン・クラブ(トリオ+サラ)
- 2月28日(水) ビルボード大阪(トリオ+サラ)
- 3月1日(木) ブルーノート名古屋(トリオ+サラ)
- 3月2日(金) 静岡音楽館AOIホール(トリオ+サラ)
- 3月3日(土) 水戸奏楽堂(ソロ)