キース・ジャレットの音楽キャリアの重要な表現形態として、1970年代から半世紀近くにわたって継続してきた、ピアノ1台によるソロ・コンサートの未発表音源が、2枚組CDでリリースされる。10月19日、世界同時発売の『ラ・フェニーチェ』はイタリア・ヴェネツィアの著名なオペラ・ハウスであるフェニーチェ劇場でのライヴで、2006年7月19日録音。
プログラムは8つの即興曲に加え、オペラ『ミカド』からの「ザ・サン・フーズ・レイズ」(ギルバート&サリヴァン)、『ザ・メロディ・アット・ナイト・ウィズ・ユー』収録曲の再演となる古謡「マイ・ワイルド・アイリッシュ・ローズ」、キース・トリオの『Standards Live』でも聴ける名曲「星影のステラ」、ヨーロピアン・カルテット作『ビロンギング』の収録曲「ブロッサム」の全12曲。
《アルバム告知映像》
キースは9月28日から10月7日まで開催される《ヴェネツィア・ビエンナーレ国際現代音楽祭》制定の〈生涯達成金獅子賞〉の受賞者に決定している。同賞はルチアーノ・ベリオ、ピエール・ブーレーズ、スティーヴ・ライヒら現代音楽畑の音楽家が受賞しており、キースはジャズ・ミュージシャンとしては初めての栄誉となる。同祭は本作が収録されたフェニーチェ劇場で開催されるということで、所縁が重なったことも見逃せない。