「jazz concerto」(ジャズ・コンチェルト)と題した演奏会が、関係者限定で7月6日にサンシティ越谷市民ホールで開催された。これはレーベル3361*BLACKのオーナー・プロデューサーとして、90年代から内外のアーティストの原盤制作を数多く手がけた伊藤秀治氏が企画・制作したもの。プロジェクトのコンセプトはジャズ要素で形作られた協奏曲を、ソリスト+オーケストラの編成によるノンPAで鳴らすステージである。
出演者は山下洋輔(p)と、かつて3361*BLACKが原盤制作をした森山威男(ds)がフィーチャリング・アーティストで、赤塚謙一(arr,tp))率いる16人編成のジャズ・コンチェルト・オーケストラとの共演になる。関係者に向けた伊藤氏のメッセージは以下の通り。
ジャズ界において、音楽界において、新たなジャンルが誕生した、と言っていただけたら幸いです。かつてない新たな「音」を創りました。それは、「jazz concerto」(ジャズ・コンチェルト)です。つまりジャズ要素で形づくられた協奏曲ということになります。ジャズ・オーケストラをバックにソリストがアドリブで縦横無尽に弾きまくる、吹きまくるという、“デキる”ソリストのまさに独壇場です。それを支えるジャズ・オーケストラはJazz Concerto Orchestra と命名しました。赤塚謙一が率います。オーケストラ・アレンジも赤塚謙一です。敢えてビッグバンド編成でスタートさせます。サウンドをFIXさせないために(ゆらげるために)、ドラムスを外し、パーカッションを入れ、ソリストに対する柔軟性を備えます。ジャズ界においては最もハイクォリティな表現のジャンルとして認めてもらえるでしょう。また、クラシック界との対比としても、コンチェルトのソリストが全編インプロヴィゼーションという個性誇示が注目されることと思われます。このjazz concertoが、世界のアーティストが競い合う自己表現の舞台となり、ひとつのジャンルとして認識されることを願っております。それ故に、ノンP.A.で行います。音響が歪めること無くアーティストの“そのまま”を聴いてもらいます。
さて、国内でその「jazz concerto」をご納得いただけるためにソリストとして依頼したのは、山下洋輔さんと森山威男さんです。最初ですので、同じ日に2人(2つの楽器)のソリストで聴いていただいてご理解を早めていただこうと、その上、同じ曲での聴き比べも用意しました。そして、1つはドラムスというソリストの楽器としては驚かれるのを承知で敢えて設定しました。それを可能にしてくれるのが森山威男氏です。“唄うドラム”、非常に楽しみです。ソリストがドラムスでもノンP.A.です。